パートナーの浮気を疑っていたり、実際に不倫が発覚してしまったりすると、とても苦しい思いをするものです。
そんなとき、「どこに相談すればいいのか」「どんなことを話せばいいのか」など、何もわからず不安を抱える方は少なくありません。
この記事では、不倫相談をする際に押さえておきたい基本的な内容や、弁護士に依頼する際のヒントなどをまとめました。
「不倫に悩んでいるけれど、どう進めればいいの?」と困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
「不倫相談」はどんなサービス?
パートナーの浮気がわかると、怒りや悲しみなどの複雑な感情にとらわれ、日々の気力を失ってしまう方は少なくありません。
こんなとき、人に話を聞いてもらったり、専門家の意見を取り入れたりすることで気持ちが軽くなったり、解決の道が見えてくる場合があります。
「相手が浮気しているかも」「まだ確証はないけれど…」といった段階なら、家族や友人など身近な人に相談するのも一つの手。
ですが、慰謝料や離婚といった法的な手続きも考えているなら、法律のプロである弁護士に頼るのが安心です。
離婚問題や不倫トラブルの実績が豊富な弁護士であれば、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスやサポートを提供してくれるでしょう。
さらに、弁護士には守秘義務があるため、相談内容が外部に漏れるリスクも極めて低いです。
どこへ相談すればいいの?不倫相談の窓口
不倫にまつわる法律トラブルに対応している代表的な相談先として、以下のようなところが挙げられます。
- 弁護士事務所
- 法テラス
- 自治体の無料法律相談
- 弁護士会の法律相談センター
それぞれの特徴は以下の表にまとめました。
主な相談先 | 特徴 |
弁護士事務所 | ・受付時間や連絡方法は事務所によってさまざま ・初回無料や24時間対応などがある ・不倫や離婚に強い事務所も多い |
法テラス | ・全国に窓口があり、平日9:00〜17:00に相談可能 ・電話やメールでの問い合わせが可能 ・所得や資産が少ない方向けの無料相談制度がある |
自治体の無料法律相談 | ・平日に限定して実施しているケースが多い ・日時と予約方法が決まっていることが多い ・無料で専門家に相談できる |
弁護士会の法律相談センター | ・全国各地に相談窓口がある ・日弁連の公式サイトで近隣のセンターを調べられる ・30分5,500円程度の有料相談が中心 |
①弁護士事務所
弁護士事務所では、不倫による慰謝料請求など、一般的な法律相談を幅広く受け付けています。
事務所ごとに対応時間や相談方法、費用体系は異なりますが、中には初回無料相談や24時間対応を掲げているところもあります。
また、不倫や離婚問題に注力している事務所なら、慰謝料請求などについて的確なサポートを提供してもらえることも期待できるでしょう。
自身の希望(休日しか相談できない、オンラインで話したい など)に合わせて選べる点が大きな利点です。
ている事務所も多く見つかるため、忙しい方にも利用しやすいでしょう。
②法テラス(日本司法支援センター)
法テラスは、法律に関するサポートを幅広く行う国の機関です。
トラブル内容に合った相談先を教えてもらえたり、一定の収入・資産基準を満たす方であれば、無料で弁護士相談を受けられる制度もあります。
ただし、ここでは担当となる弁護士を自分で選ぶことはできないため、「不倫や離婚問題をよく扱っている弁護士に頼みたい」という方にはやや不向きかもしれません。
③市役所・区役所の無料法律相談
市区町村が主催する無料の法律相談会も、不倫を含む法律問題全般に対応しているところが多いです。
開催日時や場所、予約方法は自治体ごとに異なります。
たとえば、東京都港区では毎週月曜・水曜・金曜の13:00~16:00、および水曜のみ17:00~19:00に法律相談を実施しています。
ただし、担当する弁護士が不倫や離婚にどの程度詳しいかは、自治体次第と言えます。
④弁護士会の法律相談センター
各地の弁護士会が運営する法律相談センターでも、不倫トラブルについて話を聞いてもらうことが可能です。
ただし、30分単位で5,500円ほどの有料相談になることが多く、センターによって実施時間や場所が違います。
詳細は、日本弁護士連合会の公式ホームページで確認してみてください。
何について相談すればいいの?不倫の相談でよくあること
不倫に関する相談内容は多岐にわたります。大きく分けると、
- 不倫そのものや夫婦関係にまつわる悩み
- 不倫の証拠を確保したいという相談
- 慰謝料や離婚請求に関する問題
などがあります。
下記はよくある具体例です。
相談内容 | 具体的な相談事例 | 主な相談先 |
不倫自体や夫婦関係に関する悩み | ・不倫されたことで心が乱れていて、どうすればいいかわからない ・夫婦関係を修復できるかどうかの相談 |
離婚カウンセラー、NPO法人など |
不倫の証拠を取得したい | ・配偶者の浮気を立証できる資料が欲しい ・不倫相手の情報(素性)を特定したい |
探偵 |
慰謝料請求や離婚請求など法的な対処を考えている | ・パートナーや不倫相手から慰謝料を取りたい ・請求に応じてくれない ・慰謝料の相場を知りたい ・相手から請求されて困っている ・脅しをやめさせたい |
弁護士 |
慰謝料や離婚など法的な手段を検討している場合は、弁護士に相談するのが最適です。
万一、相手から慰謝料を請求されたときの対応についても、弁護士なら具体的なアドバイスが期待できます。
パートナー・不倫した相手に慰謝料請求したい
もし「浮気されたのだから慰謝料を請求したい」という考えをお持ちなら、弁護士への依頼が大いに役立ちます。
慰謝料の可否や請求の進め方を教えてもらえるほか、実際の交渉を代理して行ってもらうことも可能です。
「そもそも請求できる状況なのか」「どんな手順を踏めばいいのか」といった段階的な疑問も、弁護士なら具体的に答えてくれるでしょう。
どれくらいか、慰謝料の額を知りたい
不倫の慰謝料は、不倫を理由に離婚するなら100万~300万円程度、離婚しない場合だと50万~100万円程度が目安とされています。
ただし、婚姻期間や生活状況、不倫の回数や長さ、子どもの有無などで金額は変動します。
不倫トラブルをよく扱う弁護士に相談すれば、あなたのケースに合った適正な慰謝料額をアドバイスしてもらえるはずです。
慰謝料請求を減額したい
逆に、自分が浮気をしてしまって「慰謝料を払いたくない」「できるだけ減らしたい」という場合にも、弁護士に相談する価値があります。
突然、相手方の弁護士から内容証明が届いたり、話し合いを迫られたりすることもあるでしょう。
そのようなときでも弁護士に依頼しておけば、請求金額が適正か判断してもらったり、減額交渉を進めたりできます。
不倫相談の主な相談方法
弁護士への相談方法としては、大きく「対面」「オンライン」「電話」「メール」の4種類があります。
近年はオンライン面談にも対応する事務所が増えており、感染症対策や忙しさなどで来所が難しい方にも便利です。
以下の表に、それぞれのメリット・デメリットを整理しました。
相談方法 | メリット | デメリット |
対面 | ・リアルタイムで回答がもらえる ・弁護士との相性が確認しやすい ・証拠や資料を直接見せられる |
・スケジュールの調整が必要 ・相談時間が限られている場合、急いでしまう ・事務所へ行く抵抗感がある人もいる |
オンライン | ・自宅などから相談できる ・顔を見ながらリアルタイムで話せる ・事務所が遠くても利用できる |
・通信環境やデバイスに左右される ・操作に慣れていないとトラブルの原因に ・時間制限による焦り |
電話 | ・その場で返答をもらえる ・外出せずに相談できる |
・顔が見えないので微妙なニュアンスが伝わりにくい ・証拠の提示ができない ・時間制限がある |
メール | ・好きな時間に相談できる ・文章でじっくり状況を伝えられる |
・すぐに返信が来ない場合がある ・文量が多いと意図が伝わりにくい |
①対面相談
直接事務所や相談会場へ足を運び、弁護士と顔を合わせて話す方法です。
リアルタイムで質問や回答のやり取りができ、弁護士やスタッフの人柄も把握しやすいため、信頼できるかどうかを判断しやすいメリットがあります。
ただし、時間の制限があることが多いので、事前に相談内容を整理し、必要な情報をメモしておくとスムーズです。
②オンライン面談
ZoomやTeams、Google Meetなどのツールを使って相談するパターンです。
自宅や職場など、場所を選ばずに対面に近い形で話せるため、外出が難しい方に向いています。
一方、通信環境によっては音声や映像が途切れたり、操作ミスが発生したりする可能性があります。
また、事務所によってはオンライン相談に対応していない場合もあるので、事前確認が必要です。
③電話相談
電話をかけて直接話す相談スタイルです。
リアルタイムで受け答えができるうえ、外出することなく話せるのが利点ですが、対面ではないため気持ちを正確に伝えにくいというデメリットがあります。
また、証拠や資料を共有できないため、概略的な説明にとどまる可能性が高いです。
事前に聞きたいことをリストアップし、メモをしながら話を進めると良いでしょう。
④メール相談
メールで相談を受け付けている事務所もあり、基本的には24時間いつでも送れるため、自分の都合に合わせやすいです。
ただし、返信は事務所の営業時間に限られることが多く、すぐに回答がほしい場合には向きません。
また、文章が長くなると伝えたいポイントが埋もれがちなので、要点を簡潔にまとめるのがポイントです。
弁護士に不倫の相談をする際に事前に準備すべきこと
弁護士との初回相談は30分程度に制限されていることが多いですが、必要に応じて延長や追加相談ができる場合もあります。
限られた時間を有効に使うためにも、以下のような準備をおすすめします。
- 相談先を事前に決めておく
- 何を聞きたいのか、どんな状況かをざっくりまとめておく
- 証拠や資料がある場合は持参または提示できるようにする
- 依頼時の条件や費用面を確認する
- 普段どおりの生活を維持し、むやみに配偶者を刺激しない
相談先を決めておく
まずは弁護士事務所、法テラス、自治体の無料法律相談、法律相談センターなど、どこに相談するかを考えましょう。
特に、依頼を見越している場合は、不倫や離婚問題を扱ってきた経験豊富な弁護士を選ぶのがベストです。
事務所のサイトをチェックし、解決事例や費用体系などを確認するのも有効。
電話やメールで相談できるか、土日や祝日の対応はあるかなども比較すると失敗が少ないです。
相談内容を事前にまとめる
限られた時間で的確なアドバイスをもらうために、以下の点をメモしておくとスムーズです。
- 自分が最終的にどうしたいか(慰謝料請求、離婚したい/しないなど)
- 不倫の具体的な状況(時期、場所、相手など)
- 結婚生活の現状(婚姻期間や子ども、収入事情など)
- 弁護士に聞きたい疑問点(必要な証拠、想定される慰謝料の金額など)
証拠・資料の持参
不倫の状況を裏付ける証拠や相手の情報があれば、ぜひ相談時に用意してください。
慰謝料請求が可能かどうか、どれくらいの額を見込めるかなど、より具体的な見解をもらいやすくなります。
また、個々の証拠は弱くても、複数を組み合わせることで有効な立証材料となる場合もあるので、少しでも関係ありそうなものは捨てずに保管しておきましょう。
依頼時の条件等を確認する
初回相談で「この弁護士に依頼したい」と決断したら、必ず費用や契約内容を確認しましょう。
特に、着手金や成功報酬、その他の経費については、あとでトラブルにならないようにしっかり把握しておくことが大切です。
以下は一般的な費用の目安ですが、事務所や案件によって大きく異なります。
内容 | 相場 |
相談料 | 30分あたり5,000円ほど(初回無料の事務所もある) |
着手金 | 慰謝料の1割~3割程度 |
成功報酬 | 慰謝料の1割~2割程度 |
その他 | 日当・交通費等 |
普段どおりの生活をできる限り心がける
弁護士に相談する前後でも、なるべく日常を崩さないように過ごすことがポイントです。
大きく行動を変えると、相手が警戒して証拠を隠したり、事態がこじれたりする可能性があります。
万一証拠を発見しても、すぐに問い詰めたりせず、冷静に弁護士と相談しながら進めるようにしましょう。
弁護士に相談する際に気をつけること

帯付きの札束とガベル
不倫や離婚を見据えて弁護士に相談するのは非常に有効ですが、いくつか注意点もあります。
不倫問題を扱っていない場合もある
弁護士は、それぞれ得意とする分野が異なります。
離婚や不倫の案件を普段あまり取り扱っていない弁護士が担当になると、十分なサポートが得られない可能性があります。
法テラスや自治体の無料相談では担当を選べないケースもあるため、専門性を重視したい方は民間の弁護士事務所を選ぶとよいでしょう。
弁護士と相性が合わない場合がある
不倫や離婚に強い弁護士でも、性格やコミュニケーションスタイルが合わないことはあり得ます。
相談や打ち合わせを何度か重ねることを考えると、話しやすいかどうかはとても重要です。
できるだけ「こちらの希望を理解してくれそう」「やりとりしやすい」と感じられる弁護士を見つけるのがおすすめです。
断られる可能性もある
「慰謝料より弁護士費用のほうが高くなる」「勝ち目が薄い」といった場合、弁護士から依頼を引き受けてもらえないケースもあります。
必ずしもすべての不倫トラブルを弁護士が請け負うわけではないことを覚えておきましょう。
不倫相談に関するFAQ
最後に、不倫について寄せられる質問のなかで、よくあるものをピックアップしてお答えします。
Q.家族や友人には不倫の相談をしてもOK?
A.身近な人に話を聞いてもらうこと自体は問題ありません。
ただし、法律の専門知識がないために誤ったアドバイスを受けたり、周囲に広まってしまうリスクもあるのが難点です。
相談する場合は、その相手を信頼できるかどうか、情報を外に漏らす可能性がないかといった点を慎重に見極めましょう。
Q.相談費用を抑える方法はある?
A.費用をできるだけ抑えたいなら、初回無料相談を行っている弁護士事務所や、自治体の無料相談などを利用するといいでしょう。
また、総額を抑えたいときは、着手金や成功報酬が低めに設定されている弁護士事務所を探す手もあります。
相談の際には必ず費用見積もりや追加料金の有無を確認するようにしてください。
まとめ
パートナーの不倫がわかったとき、ショックや怒りでどうしていいか分からなくなるのは当然です。
そんなとき、家族や友人、専門カウンセラー、探偵などに気持ちを打ち明けるのもいいですが、法的な手段を視野に入れているなら、まずは弁護士に声をかけることをおすすめします。
不倫の経験が豊富な弁護士なら、これまでのケースを踏まえた具体的なアドバイスやサポートを提供してくれます。
慰謝料の金額、示談書の作成、離婚手続きなども一貫して任せられるので、精神的な負担がグッと軽くなるでしょう。